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10/27/2023 9:30:00

Case131.力学を制すものは物理を制す

eyecatch
教科別

高校物理で最も大切な分野は「力学」である。物理が得意な人で力学が苦手な人はおらず、逆に物理が苦手な人は力学で躓いてしまっている人が多い。

力学は物理の基礎をなす最重要分野である。というのも、波動でも電磁気学でも熱力学でも一見力学と直接関係なさそうに見える他分野も間接的に力学的な考え方を用いるとスムーズに理解できたり、さらに直接的に力学の理解が使える場合すらある。例えば、電磁気学における電気回路の問題などは典型的にその例で、力学で学んだエネルギー保存則の考え方を用いると理解がしやすい。

また、力学ではとある物理現象の変化前後や変化量に注目することを学習し、その物理現象を想像する訓練も積むわけだが、この変化前後や変化量の考え方、物理現象の変化を頭の中で考える習慣が、結果的に力学以降の「物理的思考力」を養うことにつながっている。物体の衝突により生じる変化は何か、十分な時間が経過した場合に起こることは何か、この現象で変化するものと変化しないものは何か、力学を通してこういった思考を積み重ねる訓練を学ぶのだ。

余談だが、このとある現象に対する変化の有無や変化量という考え方は将来理系に進む人は必須と考えて良い。理系はこの変化を定量的に説明しようとする学問そのものなので、とある現象が起こったときに何が変化し何が変化していないのか、変化したのであればその変化量、その変化に対する理論的な裏付け(定量的に行うことを目指すが、未知の発見の場合は定性的になることもある)をすることが求められる。そこから固有の現象のみならず一般的な現象に応用する方法を学ぶ、それが理系一般に求められる社会的役割である。

以上、本日は物理における力学の重要性を説いたが、これから物理を本格的に学ぶ高一生や、すでにある程度学びを進めた高二生も今後の学習を進める上で念頭に置いてほしい内容である。もし力学に少しでも不安があるなら、今後の物理学習の足枷にならないように早い段階から力学の対策をすべきであろう。受験では苦手になる前段階から早め早めの対策をすることが超重要なのだから。

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