医学部や旧帝大、それに類する大学を志望校に入れている人は常に“自頭を良くする勉強法”で学習することが大事である。自頭を良くする勉強法にはいくつかやり方があるが、今回私が強くオススメしている方法を以下に紹介する。
一言で表すと、「二次対策・記述式」の勉強を日常学習の中心に据え置き、決してマーク式の勉強ばかりをしないことである。二次対策・記述式≠難問・奇問ではなく、あくまで基礎・基本・標準的な問題を記述式で答案作成するスタイルで勉強してほしいということである。この勉強法が最も地頭が良くなり、すなわち抜本的な成績向上に直結すると考えている。
それはなぜか。当たり前だが記述式は答案を記述する必要があり、自分の思考プロセスを相手に説明する過程で可視化されることになる。白紙の状態を 0 とし満点の答案を 1 とするならば、記述で答案を作ることは 0→1 へ段階的にグラデーションをつける作業であり、そのグラデーションは常に連続でなければならない。(非連続の場合は論理の飛躍が 生じているので減点対象である。)この連続的なグラデーションを緻密に構築できるということは、その問題に対する深い理解がなければ到底不可能であり、この習得過程で大いに頭を使うことになり、結果的に地頭が良くなる勉強になるわけである。
一方でマーク式(選択式)の問題は、たとえば英語や国語、社会などがわかりやすいが、選択肢の中に答えがある。マーク式あるあるだが、ドンピシャリの答えがわからなくても消去法的に正解にたどり着けてしまうため、そのやり方では「正しい答えの導き方」が身につかない、つまり学力の向上に結び付かないのである。マーク式ばかりに慣れてしまう と、姑息的な学力ばかりが伸び、少し問題がひねられたり角度の異なる出題のされ方になった途端に思考が崩壊してしまう。
ゆえに、記述式の勉強は基礎学力の向上という点ではかなりの程度マーク式の勉強も包含しており、記述式の勉強を中心に据え置くことで勉強の効率化も図れる。ただし、昨今の共通テストでは、“the 共通テスト”というような特有の問題も出題されているため、共通テスト対策は共通テスト対策としてきちんと行う必要がある。しかしながら日常学習の中心は決してマーク式ではなく、記述式に主眼を置くべきであるのは繰り返し述べておきたい。
すでに夏休みに入っているが、現役・浪人問わずこの夏にどれだけ基礎学力を向上させられるかが来春の合格につながることは間違いないだろう。正しい学習方針でこの夏を乗り越え、来春の栄光を勝ち取ろう。