一年間の学習方針を立てる際に、早期から志望校を決めることの重要性は言うまでもない。志望校がある程度は決まっていないと、そこから逆算した受験戦略・学習方針を立てることもままならず、何となく勉強を開始することになるわけだが、当然ながらはじめから志望校がしっかり決まっている人とそうでない人の学習方針から導き出される日々の学習効率は、塵も積もれば山となる形で数カ月単位では雲泥の差が生まれる。極端な例で言ってしまえば、国公立狙いなのか、私立狙いなのか、あるいは地元のボーダーフリーの大学を目指すのか、医学部や難関大を目指すのかで、これらは全く異なる勉強法になるのは誰でもわかるだろう。
100%絶対の志望校決めはなかなか難しいまでも、例えば高1生の時から60%くらいの志望校は決めておいた方が良い。そうでなければ、日々の勉強に対する考え方や塾選びもできない。『北大のような総合大学に入学したい(理系)』だったり、『医学部か薬学部、あるいは理学部でもいい』というような程度でも良いのだ。もし上記のような場合であれば、早期から英数は絶対に避けて通れないことがわかり、学年が上がると理科の対策も十分に行わなくてはいけないだろう。逆に社会や情報、あるいは国語などは、英数理に比べると日常学習の中ではややトーンを落とすことになるわけだ。
大雑把ながらも、上記くらいのことが決まっている人と、全く何も決まっていない人では、1日の単位では大きな差がなくても、数ヶ月、年の単位で比較すると、受験本番時には大きな学力差となって現れる。漫然と勉強した人と、目標をもって取り組んできた差が生じるわけである。これはスポーツなどの経験がある人ならば、目的意識を持たないでボールを100回前に蹴る練習よりも、試合本番を想定してドリブルしながらディフェンダーやゴールキーパーが構えるゴールに100回シュートする練習では、1日では大した差がなくても1年後には雲泥の差が生まれることは容易に想像できるはずだ。
よって、志望校決めは早ければ早いほど有利になる。100%絶対の志望校とまではいかないまでも、30%よりは40%、40%よりは50%というように、できる範囲で少しずつ自分の志望校を固める作業を行ってほしい。