今日は主に高1-2、中1-2などの受験まで少し時間がある学生向けの内容である。高3、中3の今の時期は目の前の課題をつぶす作業に忙殺されるため、まだ少し時間のある今のうちに『小さな傷の修復』を積極的に行おう。
傷は小さければ簡単に修復できるが、大きくなった傷は修復するのに大きな労力とコストを要する。考えれば当たり前のことなのに、現実逃避し問題を先送りにした結果、高3、中3になってから取り返しのつかない事態に直面する受験生は多い。病気でも、早期発見・早期治療を行えれば比較的容易に治るのに、『病院に行くのが面倒だから』『このくらいならいいや』と1ヶ月、2ヶ月と先送りにした結果、想定以上に病気が進行し、何ヶ月も治癒に時間がかかることがあるのと同様である。
目の前の問題を先延ばしにする傾向がある学生に一つ知っておいてほしい事実として、目の前のその問題を放置した結果は、受験生のときに行きたい高校や大学に行けない、大学で就職に影響が出る、社会人になっても自己実現を達成できないというような、非常にリアルで重大な問題にいつか直面する可能性が高いということだ。とても嫌な話であり、耳ざわりの良いことばかりを言う人しか周りにいないと、こういった話をしてくれないかもしれないが、これがリアルなのである。もちろん絶対ではないものの、問題を先延ばしにすればするほど、その可能性は1%、また1%と高まるだろう。
これは勉強に関してのみではなく、例えばスポーツや芸術でプロになろうとしている人も同様で、それぞれの技術の習得や練度を上げる必要があるのに、その事実に目をつぶって怠惰を繰り返すと、おそらくプロとしてメシを食っていくことはできないだろう。
いずれにせよ、人は一生のうちで必ず歯を食いしばって頑張らないといけないときがある。実は、そのタイミングは小さいころであればあるほど、長い人生を後方視的に見たときに、結果的には“最良の努力”となることが多いかもしれない。いつか歯を食いしばって努力しなければならないならば、早いうちに、他の人がそう努力していないタイミングにこそ努力しておいた方が良いということである。勉強などはその典型で、上述のように大きな傷になるより、小さな傷のうちに対処する方が圧倒的にコスパやタイパも良い。また、もし真剣に小さな傷に対処するならば、勉強であれば『個別指導』が最も優れている。
今できない『数学の確率』『英語の分詞構文』『化学の熱化学方程式』は、まさに今やっつけてしまうという考えを持ってほしい。そのマインドと行動が必勝パターンである。