習慣は人生を変える。これは、良くも悪くも真実だ。もし自分が人生を良い方向に変化させたいと思うならば、習慣にコントロールされるのではなく、習慣をコントロールしなくてはならない。成功も失敗も、日々の行いの積み重ねで生じ、その積み重ねを作っているのは習慣そのものなのだ。
習慣とは、『日常の決まりきった行いのこと。長い間そうすることによって、そうすることがあたかもきまりのようになったこと。』『(心理学用語)反復によって習得し、少ない心的努力で繰り返せる、固定した行動のこと。』とされる。つまり、“殊に意識しないでもそうするのが当たり前の状態”のことである。例えば、毎朝歯を磨く、部活の練習前に準備運動をするなどは多くの人で当たり前のことだろう。
習慣化は形成されるまでに多くの心的エネルギーを要する。“三日坊主”とは実に上手い表現で、多くの人は最初の三日間は頑張れるが、以降はパタッとやらなくなり、結果的に習慣化できない。3日、1週間、1ヶ月、3ヶ月の壁を超えられれば、経験的に多くの人と場合で習慣化ができるが、9割以上は三日坊主で終わってしまう。
受験勉強のように長期的な努力が求められる場合、学習の習慣化が確立されなければ真に受験的な成功を勝ち取ることは不可能だろう。それこそ、三日だけ寝ずに24時間勉強しても、365日毎日10時間勉強を続ける人には100%勝てない。それが受験というものである。特に大学受験のように、質も量も一定以上を担保しなくてはならない場合では、より一層この習慣化の効果は絶大になる。周囲の医学部に合格した友人、医師になった友人は、継続的に勉強すること(=習慣を自ら作り出す能力)は一般の集団に比較して抜きんでていると感じる。
しかしながら、習慣化の鬼のような彼ら/彼女らも同じ人間であり、はじめから完璧にできる人などいないのも事実である。また、得意分野・不得意分野があるのも事実である。とはいえ、彼ら/彼女らから話を聞くと、得意分野は言わずもがな、不得意分野でも一定以上のパフォーマンスを出すために、トライアンドエラーを繰り返し、自分なりにベストな方法を確立するのに多くの時間や労力を割いている。そして、一旦スタイルを確立してしまえば、そこからは“習慣”となり、オートモードで勝手に目標に向かい続け、最終的に目標を達成するのだ。
三日坊主となり第一希望から遠ざかるか、習慣を味方につけ第一希望をモノにするのか。習慣は人生を変える。人生を変えたいなら習慣を味方につけよう。