どんな経験も自分を決して裏切らない。良かった経験はもちろんだが、良くなかったと感じる経験もすべて自分を成長させてくれる。良くなかった経験は、その直後は『つらい』『悔しい』『苦しい』などの負の感情が心を支配してしまうかもしれないが、振り返ってみるとどんな経験も必ず自分を成長させてくれるチャンスだったと感じることができる。
どんな人もいつでも順風満帆な人生を送れるということはない。ある意味で人生は平等で、どんな人にもチャンスもピンチも到来する。大切なのはピンチを迎えたときに、その人はどのように考えどのように行動するか、そしてその結果に対してどのように感じ、次に向けてどのように準備をするか、である。
これはたった一回や二回の成功や失敗の話ではない。どんな人もこれまでの人生で何十回、何百回と多くの成功や失敗を繰り返し、それぞれの結果に対して自己フィードバックを繰り返してきただろう。もちろん成功や失敗の大きさが重要ではなく、大切なのはそれぞれの経験をどのようにこれまでの自分に活かしてきたか、そしてこれから活かすのかである。
第三者的に見て上手くいっているように見える人ほど、実はそれまでに壮絶な挫折や失敗経験をしていることは多い。最近では世界的にSNSが広く使われているが、SNSで投稿されている多くは、成功した人や事例ばかりが目に付くものだ。それゆえに、『こんなに簡単に大成功するんだ』とか『こんなに楽勝でスターになれるんだ』とか錯覚してしまうが、その成功者やスターは実はその裏でとんでもない挫折や失敗経験をし、そこからその地位にのし上がった人は多い。
彼ら・彼女らは口をそろえて『あのときの経験が自分を変えてくれました』と言う。一人や二人の成功者ではなく、大多数の成功者がそのように言う。とするならば、むしろ失敗経験というのは絶好のチャンスであろう。その経験を生かすも殺すも自分次第であるが、適切に扱うことができれば、ステップアップの最大のチャンスと考えられる。
失敗は誰もが経験したくないだろう。感情的には正しい。しかし、『失敗は成功の母』と言われるように、ときには失敗から学んだ教訓が、むしろ自分史上最大のチャンスに結ぶつくこともある。そこから自分はどう考え、どう行動するか、それが決定的である。