何かに挑戦すると必ず『壁』にぶち当たるわけだが、それを『失敗』と思い込み、すぐに諦める人がいる。おそらく9割以上の人はその壁を失敗と判断し、即時撤退をするわけだが、結果的に目標を成し遂げる残り1割の人はその壁を『通過儀礼』と捉える習慣がある。
これはビジネスでも勉強でもスポーツでも同じだが、これから何かに取り組もうとする際には必ず予期していなかった『壁』が立ちはだかる。例えばビジネスで新規事業を始めようとする際に、わずか半年、一年で順風満帆な軌道に乗るということはほぼあり得ないわけで、そうであるにも関わらず『もう一年もやったのにダメだから諦めよう』と判断してしまう人がいる。同様に勉強でも、たった数ヶ月、半年しか真剣に勉強していないのに、『自分はもう〇〇高校/〇〇大学は無理だ』『これ以上数学は伸びない』などを尚早に判断してしまう人がいる。ときに、個人の中での絶望にとどまらず、自分のたった半年や一年の経験のみをもとにして『努力しても無駄』などと、現在努力している人に対して攻撃する人もいるから残念である。
ちょっと辛口の言い方だが、半年や一年で自分の思い通りの結果がドンドン出せるなら、世の中に苦労など存在しないわけで、逆にコツコツ努力する人が報われない世の中になってしまうだろう。人は弱い生き物で、ラクな方、ラクな方へ流れる傾向にある。諦めるのはラクなのである。“自分の中で”ちょっと努力した程度で“(自分以外の人間が多数を占める)社会で”結果を出し順風満帆な状態になるというのは幻想に近い。
よって、残り1割の結果を残す人になるには、何度も通過儀礼を乗り越え、コツコツと数ヶ月~年単位の努力を積み重ねる以外にない。事前にこのような『壁』=『通過儀礼』というマインドセットを組んでおくことも大切である。事実、結果を出す人はこのような考え方を持っているのだから。