勉強でもスポーツでも、あるいは芸術でも、日々努力を重ねているとその成果は必ず出るわけだが、本人はその変化に気が付きにくいものだ。数カ月ぶりに親戚の子供に会うとその大きな変化に驚くが、一方でその家族や本人は毎日ほんの少しずつの変化を積み重ねているためその変化に気が付きにくい。同様に、勉強やスポーツ、芸術も毎日1ミリ、1センチずつしか進歩しないため、なかなかその成長ぶりに気が付きにくいが、だからこそ、プレイヤー本人にはちょっとした成長に気が付いたときに感動を覚えてほしいと思う。
たとえば、半年前の自分と比較すると、真面目に勉強をコツコツ積み重ねた人の学力は見違えるほど伸びている。一日一日は非常に小さな成長で、それはもしかしたら問題が3-4問できるようになった程度かもしれないが、それが毎日、毎週の変化として蓄積され続けると半年後には偏差値が5以上も上がることはあり得る。その過程では、テストの度に偏差値が1ずつしか上がっていないかもしれないが、半年前と比較した時には大きな成長になっているのだ。
自分の成長に全く気が付かないと、なかなか長期戦を戦い続けるのは精神的につらいと感じるだろう。そもそも受験は長期戦で精神的につらいのだから、その中で少しでも成長した自分に気が付き、時には褒めてあげることも大切なことだ。『ここまで頑張った結果、点数が10点、偏差値が3上がった。自分はよく頑張っている。だからこれを継続すればゴールは近いぞ。』という類である。決して過信や慢心すべきではないが、ちょっとした成長を褒めることも受験では重要だろう。
季節は秋になり、いよいよ冬が近づき、最終ステージは目の前だ。半年前の自分と比較して、日々の成長を感じながら残りのレースを走り切ろう。