小学生や中学生、高校生には『将来なりたい自分』『未来の自分』など希望に溢れている。それ自体は全くその通りだし、今のうちに最大限の努力をすれば、その夢を叶えられる可能性はかなり高くなるのも事実である。10代の皆さんは、是非将来の夢に向かって邁進してほしいと強く願う。
と同時に、好きなその夢を叶えるために、特にその夢が大きいものであればあるほど、事前準備に大きな時間やエネルギーを要することも知っておく必要があるだろう。言い換えれば、『好きなことをしたければ、先に好きでないこともしなくてはならない』ということだ。残念ながら、多くの場合では好きなことだけをしていても、将来のなりたい自分にはなれない。
たとえば、将来医師になりたいと思うならば、勉強という作業にかなりの時間をかけて先行投資しなければならないだろう。多くの人にとっては、勉強というのは決して楽しいものではなく、友人と映画に行ったり、スマホゲームをしたりといった時間の方が楽しいと感じるのも事実である。しかしながら、そのようなことを周囲と同じようにしていては、少なくとも医師になるという夢は叶うことはないだろう。同様に、野球選手になりたいと思うならば、野球が好きという次元を超えて、毎日練習や体力トレーニングを欠かさず行う必要がある。
こういった事実は、頭ではわかっていてもなかなか日々実行できないのも人間である。人間は弱い生き物で、少しでもラクな方へ逃げ、目の前のやらなくてはいけない作業を『サボる』傾向にある。人間である以上サボるという行為をゼロにすることは無理であるが、それでも極力サボることをやめ、昨日の自分よりも一歩進んだ自分を目指すべきである。
どうしてもサボってしまう人は、もし自分が尊敬する人ならどうするか、その夢を叶えた人たちならどうするかという視点を持っておくと、自分の行動を厳しい方向に持っていくことができる。人によってやり方は様々だろうが、サボってしまう自分へ何かしらの処方箋を持っておくことは重要だろう。
『好きなことをしたければ、先に好きでないこともしなくてはならない』これは、おそらく多くの場合で当てはまる考え方だろう。だからこそ、今一度自分の胸に手を当てて自分の夢と日々の努力に乖離が生じていないか考えてほしい。