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8/25/2023 9:30:00

Case122.高校の無い町

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その他

今日は北海道が抱える深刻な問題の一つである「教育格差」について考えてみる。「北大3割問題」の根源とも考えられ、北海道が行政のレベルで真剣に取り組んでほしいテーマと考えている。「教育格差」と一口に言っても実際にはその中身は多様であり、今回はその中で「高校の無い町」という切り口で考えてみたい。

皆さんは北海道内に高校がない市や町がいくつ存在するかご存知だろうか。北海道教育委員会ホームページ資料によると、実に道内48の市町には高校がない。それはつまり、そこに暮らす中学生は中学を卒業し高校に進学するためには毎日バスや電車に乗って隣接する市町の高校に通うか、思い切って下宿先を探し親元を離れて高校に通うか、という選択に迫られることを意味する。

自分自身は北広島市という場所の出身であるが、小学も中学も高校も北広島市内で完結し“恵まれた”環境下で教育を受けた。しかしながら上記の48市町の学生には初めからその選択肢は与えられていない。例えどんなに学力が優秀でもそうでなくても、スポーツが得意でも得意でなくても、市内の学校で高等教育を受ける機会が与えられていないのだ。たいていこういう市や町に隣接する高校も1つか、せいぜい2つくらいしか設置されておらず、真に自分の希望する学力レベルやスポーツレベルの高校がないものである。

例えば、隣町の高校に通うとしよう。毎朝6時に起きバスに乗り、自宅に帰るのは19時、部活があれば20時過ぎ、こんな生活が毎日続く。仮に学生が北大を受験したいと考えても、人的リソースの限られた高校では個別に合わせた学習サポートを受けることは不可能で、個別の対策を希望し近くの学習塾を探してもそれすら存在しないだろう。さらに深刻なのは、「受験とは情報戦である」という現実である。これら状況下で、たとえどんなに学生が強く北大で修学したいと考えても、現実的にかなり難しいと言わざるを得ない。なぜならば受験は他人との競争であり、特に北大などの難関大を志望すればするほど、全国の“受験強者”との競争になるからだ。全国の彼ら・彼女らは最高の学習環境で学び続け、もちろん最高の受験情報にも容易にアクセス可能である。

しかしこれら状況は学生が悪いからだろうか?学生の努力が足りないから自分の将来の選択肢が狭められているのだろうか?人は自ら生まれる場所、条件を選ぶことはできない。しかしながら生まれた瞬間に圧倒的に不利な「教育格差」が存在している。孟母三遷という言葉があるが、三遷できれば良いが現実には様々な事情で一遷もできないのがほとんどである。誰しもが孟母のようにはなれない。(孟母三遷とは、中国、戦国時代の思想家孟子の母が、孟子の教育のために三度も住居を遷(うつ)ったとの故事をいう。子の教育のために住居を移しても環境を整える必要性を説いている。)

道内地方教育のボトルネックとなっている「教育格差」を解消し、一人でも多くの学生が自分の希望の進路へ進み、結果的に北大3割問題のようなマクロな問題の解決につながってほしい。今の世の中であれば“オンライン”というものがこれだけ一般的になっているのだから、全てとはいかないまでもかなりの程度は“オンライン”の仕組みで課題が解決できるようにも思うのだ。

※こういった北海道の残酷な真実を知るにつれ、20年以上かけて培った北大・医大進学塾がもつ北大や医学部に合格する道内最高の受験ノウハウと、この社会問題に対して一緒に取り組んでくれるパートナー(地方自治体、企業、教育機関など)を真剣に探しています。地元で自分の夢を叶え地域社会に還元するような仕組み、例えば北大や小樽商大、帯広畜産大学、あるいは医療系大学・専門学校などの夢が叶った学生たちには是非その素晴らしい知識、経験、能力を地元に還元する正のスパイラルを構築してほしい、そのような思いに協賛いただける方を探しております。

もしあなたの周りにこのような社会課題に取り組んでくださる方がいるならば、是非ご紹介してください。ご紹介いただける際はメールアドレスに是非ご一報をお願い致します。

hokudai.idai.mps@gmail.com

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