世の中に『絶対に〇〇』と断言できる言葉は限られている。『絶対に 3 ヶ月で××kg 痩せる 方法』『絶対に 1 ヶ月で△△ができるようになる方法』というものは巷にあふれているが、 たいていの場合は信ぴょう性に乏しい。これは受験に関しても同様で、というのも相対的な 競争である受験では絶対基準ではないため、特に『絶対に〇〇』シリーズは通用しにくいか らだ。そんな中でも受験勉強で『絶対に〇〇』シリーズが成り立つ場合がある。それは、『絶 対に〇〇をしたら/しなかったらうまくいかない』という失敗パターンの場合である。
これまで多数の受験生、特に医学部や難関大を受験する生徒を見ていると、絶対にうまくい かない王道パターンを選択してしまう人たちがいる。彼ら/彼女らにそのやり方では厳し いことを伝えても、中には意固地になって?あるいはそのやり方が正しいという信念のも と?決してその方法を修正しようとしないため、いつまでたっても成績が改善せず、3 月に 悲しい結末を迎えてしまう。実際には柔軟に修正してくれる生徒が大半であるものの、特に このような傾向があるのは浪人生であり、現役生でも時折発生しているのは残念である。
今回の趣旨とはややずれてしまうため、具体的な事案を取り出すことはしないが、結果的に 絶対にうまくいかない方法から方向転換できないと、何年たっても学力は停滞し、医学部や 難関大のような高い目標ラインに届かない。本人たちは決して不真面目に取り組んでいる わけではなく、大真面目に取り組んでいるわけだが、勉強のやり方や学習戦略の大方針の間 違いなどを根本から修正する必要があり、一部でその指摘が受け入れられない場合がある。
これから受験勉強を始めようとしている高 1, 2 生や中学生は、『絶対にうまくいく方法は ないが、絶対にうまくいかない方法はある』ということを知っておこう。特にそれが受験 の大方針に関わる場合、取り返しのつかない事態になる可能性が極めて高い。少しでも自 分の勉強法や学習戦略に不安があるならば、あるいは、現在いくら勉強してもなかなかト ンネルから抜け出せないような状態にあるならば、信頼できる先生や進路担当指導員にア ドバイスを求めよう。