「土日の休みが消え、夏休みが消え冬休みが消え、友達が遊んでる時に練習してた。だから今がある。」これは日本ハムファイターズで活躍した後に日本を飛び出し、現在メジャーリーグで活躍するダルビッシュ有投手の言葉だ。夏休みが終わりを迎える今、多くの受験生の心にこの言葉が深く刺さるのではないだろうか。
受験的には夏休みを終え秋に入ると前半戦が終了となる。まもなく半分が終わるのだ。自分の直面する課題(特に苦手科目)に毎日15時間を費やせるタイミングは次回冬休みとなるが、その頃は夏休みのように完全自由には時間を使えない。それは共通テストが目前にあるためで、その対策に時間を要するからだ。
よって夏休み、友達が遊んでいるときに一緒になって遊んでいた受験生と、友達が遊んでいるときに勉強した受験生とでは天と地ほどの差ができてしまっている。一年の受験競争で、もっと厳密には一年もない受験競争で夏休みという貴重な一ヶ月にビハインドを作ってしまうことは取り返しのつかない結果につながる。
もし友達が遊んでいるときに一緒になって遊んだしまったもののこのビハインドを取り戻したいと考えるならば、最初の一歩目としてはこの不都合な真実から目を背けず真摯に受け止めることから始めるべきだろう。その上で、考え方次第では“まだ半分の時間がある”と時間軸を捉え、人が変わったように寝食を忘れて勉学に勤しむほかない。おそらく夏休みまで真剣に勉強を続けた人は勉強のリズムも整っているのでそのペースは一定に保たれている。そのペースに追いつき追い越すためには、全力疾走に近いペースで追いかけるしかないだろう。その覚悟と忍耐がなければ夏にできてしまった差を埋めることはかなり難しいというのが現実であり、さらに統計学的にも事実である。
逆に、土日の休みが消え、夏休みが消え冬休みが消え、友達が遊んでる時に勉強した人も油断は禁物である。なぜならばそのような努力を続けるのは受験生としてある意味当たり前であり、特に医学部や難関大を受験しようとしている人はそういう人たちとの競争であるからだ。当たり前のレベルが高い人たちと勝負をする際に油断は大敵で、油断した人から順にふるい落とされる。これもまた真実である。
夏が終わり秋が来る。それぞれの受験生がこれからの時間をどう使っていくのか。まもなく始まる後半戦で君の運命が変わる。