まもなく秋になる。暑かった夏も次第に終わり、いつの間にか受験も後半戦に突入する。この夏に思ったように勉強できた人も、そうでない人も、この秋を制することが合格に直結する。
秋以降は、特に基礎的・基本的な内容については、全く新しい問題を解くのではなく、これまで慣れ親しんだ教材を徹底的に復習することが大切だ。この時期から不安になると次々と新しい教材や問題集を購入し、つまみ食い状態で勉強する人がいるが、そのやり方は失敗の原因になる。そうではなく、上述のようにこれまで使ってきた教材が擦り切れるほどやりこむことの方が重要で、最終的に合格する受験生はこのやり方を徹底している。
また、これからは各種模擬試験も増えてくるが、これら復習を徹底することも忘れないでほしい。模擬試験は復習しないと、せっかくの効果が半減してしまう。特に間違えたところ、弱い分野のあぶり出しに成功したら、その部分を徹底的に復習し、今後似た問題が出てもきちんと解ける状態にすることが最重要だ。その積み重ねが本番でどのような分野が出ても安定的に高得点を取れるようになるコツである。
最後に、やや本旨からそれるが、秋以降は体調管理や勉強リズムを崩さないことも大切だ。当たり前だが、明らかに無理のあるスケジュールで深夜帯まで何日も勉強を続けると自己免疫力が落ちて風邪を引いてしまったり、夏までの劣勢を挽回するためにこちらも連日深夜まで勉強し睡眠時間を大きく削るようなことをすると、同様に風邪を引いたり、昼夜逆転でかえって学習効率が落ちたりと、結果的に残りの半年を思うようなペースで学習を進められない。このあたりのことは頭ではわかっていても実践できない人も多いが、最後に勝つためには残りの半年をどのように過ごすかが極めて大切なので、超短期間だけの一時しのぎ的なやり方ではなく、一定の期間で考えて行動を選択しよう。
夏は終わり、秋が来る。そしてあっという間に冬が来る。残り期間は、特に基本的な事項で抜けがあるならば、何度も徹底的に復習をしよう。