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4/28/2023 9:30:00

Case105.コロナ禍と学生生活

eyecatch
学生生活

2023 年 5 月 8 日以降、新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ)の 5 類引き下げが実行される。約 3 年前に未知のウイルスとして世界中を不安に陥れたコロナも、ようやく日本でも 5 類引き下げに伴い従来の生活に少しずつ戻っていくことが期待されている。

小学生、中学生、高校生、大学生などのいわゆる学生は、学生としてのビッグイベントである宿泊研修や修学旅行、部活合宿、大会などが延期、中止になっただけでなく、貴重な日々の学生生活でも行動制限を余儀なくされたと思う。単なる楽しみとしての行事ではなく、社会活動を通して、これから社会人になる上で身につけなくてはならない社会経験を積めなかったことは、誰のせいでもないが将来本人たちが直面する障壁として遭遇してしまう可能性は否めない。

個人的に最も心配しているのは、「空気を読む」というリアルな人間付き合いの中でしか養われないスキルである。人は社会の中で基本的に人と人との関係の中で生活するわけで、「100%自分だけ」という環境で生きていくことは困難である。(無人島や山奥で生活する場合はその限りではない。)そうすると必然的に周囲との連携や協調性も必要な場面があり、「ここは自分の主張を強く出していく」「ここは周囲と足並みをそろえる」という判断が大事になることも多い。これは同じ会議であっても、その人の置かれた立場や前後の文脈によって変化するが、それでも社会という大船で生活することを考えた場合、「空気を読む」というスキルは必須に思う。特にアメリカの社会学者 D・リースマンに言わせると「他人指向型」が多いとされる日本人であれば、この傾向は強い。

しかしながら、これからの学生生活は社会生活の正常化(従来化)の過程で、急にすべてが元通りになるわけではないが少しずつ社会活動を再開させられる。この事実はとても喜ばしいことで、上記のような懸念点に対しても今後改善される可能性が高いと考える。以前のように普通に学校に行き、授業を受け、体育や部活動も制限なく行い、放課後に友人としゃべったりといった当たり前の日常が戻ってくるだろう。もちろん学生の本業は勉強だが、勉強以外にも学生のうちに学ぶべきことは多数あり、その一つが周囲との調和・協調性の獲得(≒空気を読む)などだと思う。

こういった人としての営みも正常化し、学力のみならず素晴らしい人間性も有した学生が一人でも多く社会で活躍してほしいと願う。特に社会のリーダーや医師として医療を束ねるような人材は、こういった人が多く活躍してほしいと思うのだ。

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